小矢部オフィスの
竣工にあたり

ご挨拶Message

弊社は1893年(明治26年)に富山県石動町で煉瓦製造業を創業して、その後インフラ整備の要請を受けて事業主体が建設業に変わり、幾多の時代の変遷や難局に遭遇して来ましたが、悪戦苦闘しながらも開拓者魂で乗り越え、130年間カタツムリの如き歩みを続けて参りました。

弊社の企業理念は、創業当時から地域の発展と生活文化の向上に貢献することを第一に、ご縁頂いた顧客の皆様と共々永く歩んで行くことを信条に、常に先進技術の研鑽を続けております。社風は地味でステディーでありますが、独自の我が道切り拓くためにチャレンジ続け、自主自立の不屈の精神を堅持して参りました。

さて、弊社におきましては、発祥の地である富山県内の基盤拡充を目指し、本社の北陸事業センター分室と小矢部支店及び石黒工建の一体運営を図るため、昨年8月から「小矢部オフィス」の新築工事を進めて参りましたが、厳しいコロナ禍の中を協力業者の皆様の多大なご尽力を頂いて、お陰様でここに無事竣工の運びと相成りました。

この建物の基本設計は、国立京都迎賓館の設計チーフであった建築家・佐藤義信氏(KUU・KAN設計室)に、実施設計はKUU・KAN設計室+七月工房JVにお願いして、煉瓦製造が祖業の弊社に相応しいユニークでサスティナブルな百年建築が完成しました。小粒なローカルオフィスでありますが、永年使用に堪え得る工夫とキラリと光るエスプリに溢れ、ヒトの温もりが漂う素朴でウッディーな内部空間が実現いたし、富山県内で愛されるランドマークになればと願っている次第です。

つきましては、これを機に弊社は北陸地域の永続的な発展を担って、「北陸圏のブランドゼネコン」をロングラン目標に据え、全社挙げて企業のレベルアップに取り組み、人間力を一層錬磨して行く決意であります。

2021年10月26日 石黒建設株式会社
役職員一同

石黒建設株式会社 小矢部オフィス 外観
  • 石黒建設株式会社 小矢部オフィス 内装
  • 石黒建設株式会社 小矢部オフィス 内装
  • 石黒建設株式会社 小矢部オフィス 内装
  • 石黒建設株式会社 小矢部オフィス 内装

小矢部オフィスの概要

建設地 富山県小矢部市芹川4046番地
構 造 鉄筋コンクリート造
規 模 2階建、敷地880坪、延床面積255坪

コンセプトConcept

3+1のキーワード 「堅牢・サスティナブル・更新性」+「寛容」

堅牢に作る

堅牢な構造・外装
バランスよく耐震壁を配した簡潔な構造
本社同様、外装材の中で最も耐久性が高いタイルを採用
高強度コンクリートの採用
コンクリート中性化を遅らせ、鉄筋を長期間 保護・・・長寿命

更新性を高める

100年の間に10回程度考えられる空調・電気などの諸設備を、最小の工事で更新。LED照明:20年/空調機器:10年など、いわゆる「道連れ工事」を生じない

寛容な在りよう

脱化石エネルギー、見通せない時代の変化に対応
マクロエネルギーからミクロエネルギーへ(地産地消)
太陽光発電、電気自動車、バッテリー、ヘロブスサイト発電シートなど、シンプルな構成が、未来の変化に柔軟に対応

サスティナブルに作る

より少ない化石エネルギーで快適に
同時に、地球規模の気候変動・温暖化に対応

サスティナブル(持続可能な)とは、主に自然にある資源を長い期間維持し、環境に負荷をかけないようにしながら利用していくこと

風・吹き抜けを介しての気流のデザイン
春・秋の中間期は、吹き抜けを介した自然換気を行い快適な環境を実現。冬季は壁に内蔵されたサーキュレータシステムで暖気を1階へ、夏季は2階の熱気を排出
小矢部の「豊かな水」を冬季の融雪と同時に、夏季でも活用
屋上に多孔質の浅間砂利を敷込み、散水することで屋根面を冷却し室温を約4度下げる
硝子に直射光が当たらない窓。室温を上げない
床用のグレーチングを活用し春から秋までの日射を遮る
緑陰
南側に高木(7mピッチでシカラシ) 将来、道路景観の形成とともに「緑陰」による冷房負荷軽減を期待